居酒屋甲子園で日本一になった会社の執行役員様にインタビュー!
高木さま、本日は宜しくお願い申し上げます。
株式会社OBU Company 執行役員の高木です。宜しくお願い致します。
「恵比寿 肉料理 ほたる」さんの名物、ウリを教えてください。
全国各地から厳選した牛、豚、鶏、ジビエなどを長期熟成し炭火でじっくり火入れしたお肉たちがメインですが、それ以外にも「博多名物の水炊き」も是非ご賞味いただきたい商品です。熊本の幻の地鶏「天草大王」を使用し、長時間かけて抽出したスープは絶品です。また最近はおいしいお米を食べたいという需要が増えてきているので、「羽釜で炊いたご飯」と九州の味噌を使った豚汁も人気です。日本人で良かったなと思っていただけると思います。
お店がオープンされたのはいつ頃でしょうか。
2022年の3月29日です。もともと焼き鳥屋を運営していたのですがコロナの影響もあり店舗をリニューアルオープンさせました。
そうだったんですね。コロナで影響を受けている飲食業界には臨機応変な軌道修正やスピード感が求められている気がします。
そうですね、客足が戻らないのであれば抜本的にお店のコンセプトを変えて作り直すという経営判断も必要です。焼き鳥屋の時は客単価5,000円ほどだったのですが8,000円~10,000円に設定し直して客数が少なくても売上を伸ばしていけるようにしました。
なぜ焼き鳥から肉料理にリニューアルされたのでしょうか?
まず居酒屋チェーン大手が焼肉店へ業態転換するほど焼肉の需要が増えてきています。ですが焼肉だとダクトが目の前にあって換気をしっかりしているお店でも洋服に匂いがついてしまったり、自分で焼かないといけなかったりしますよね。かといって肉割烹だと客単価30,000円前後なので頻繁に通えない。しかも牛肉しか提供していないお店が多い印象です。
確かにそうですね。
我々はジビエや鶏、銘柄豚も取り扱って色々なお肉を食べてもらえるような店舗作りを意識しております。また他社よりリーズナブルに食事を楽しんでいただきたいと思っております。記念日に一回だけよりかは、大切な人を月に何度も連れて来れるようなお店にしたいと思っております。
なるほど。「恵比寿 肉料理 ほたる」さんの開業経緯や、貴社についてもっと知りたいです。
まず弊社は現在43店舗ほど飲食店舗の経営を行なっております。業態ごとにブランドが分かれてまして、もともと2005年に福岡でスタートした『博多ほたる』というブランドは2011年に麻布十番に東京初出店を果たしました。
え!麻布の「博多ほたる」って貴社のお店だったのですね!!お料理が全部美味しすぎて良く利用させてもらっています!!
有難う御座います!その年の11月に、全国の1,700を超える居酒屋が日本一の座を争う「居酒屋甲子園」という大会に参加したのですが2年連続で日本1を受賞しまして、それがきっかけで全国のテレビで紹介されて知名度が一気に広がりました。出店のオファーや人材の流入など一気に流れが大きく変わりました。今は麻布十番以外にも銀座、中目黒、恵比寿に出させていただいてます。
2年連続で日本1の栄冠。。脱帽です。。高木様と株式会社OBU Company様との出会いや高木様のご経歴が気になります!
もともと若い頃から飲食店で働いていました。20歳の頃に店長、料理長として勤務していたお店で、お客さんとして食事に来られていた今の会社の役員からスカウトされました。丁重にお断りしていたのですが2年半目で、そろそろ次のステージだなと思い承諾させていただきました。
凄いご縁ですね。入社されて何年目でしょうか。
入社して17年になりますね。執行役員になった今でも新店舗の出店の際は現場に入っています。お店に魂を入れる気持ちで軌道に乗るまでサポートして軌道に乗ったら店長に任せるスタンスでやっています。
ネットで高木様の記事を拝見しました。講演会なども行われているのですね。
社内外の社員研修や、「チームづくり」「理念経営、価値観教育」などの講演会、飲食業界活性化のための勉強会などで全国を回っております。居酒屋甲子園の理事もやっております。
これまでで一番大変だった時はいつでしょうか?
「居酒屋甲子園」で日本1を取った後に取材やメディア露出が増えて一気に知名度が広がったのですが、全国メディアで悪ふざけのように映されたり、注目されたらされたでお客様からなんかしてよという要望があったりとマイナスな側面もかなりありました。
1位を取ったからと言ってプラスの要素ばかりではないんですね。
はい、華やかなことだけではないですね。日本1受賞の裏側には日本1という肩書きを守らなくてはいけないプレッシャーとお客様の期待値を下げられないプライドもありました。
確かに評判が上がってから下げるわけにはいかないというプレッシャーは大きいですね。
それ以外にも出店のオファーも続いて人手が足りない中で出店したり、人材が育ってない状態で稼働したりと本当に大変な時期でした。日本1になることを想定していなかったので、その先を見据えられていませんでした。今ではあの時の経験が物凄く良い糧になってます。
逆に飲食店をやっていて嬉しかったことはなんですか?
子供達から将来お父さんみたいな料理人になりたい!
ほたるで働きたいと言ってもらえた事ですかね!
飲食は人を幸せにする仕事だと思っています!
どんな仕事もそうだと思いますが、子供達から憧れられるって嬉しいですね!
それ以外に印象に残っているエピソードはありますか?
あるとき13歳の娘さんを持つお母さんから手紙が届きました。娘さんが思春期で親子関係が微妙な時期に、娘さんの誕生日に何が欲しいか聞いたところ『ディズニーランドもケーキもいらないから福岡の「博多ほたる」に連れていってほしい。』と言われたので東京から福岡まで行こうと思うのだがお祝いして欲しい、という内容でした。
ほう。
「ディズニーの方が良かった」と言われるわけにはいかないので、その時も気合が入ったと言いますかスイッチがオンになりました。結果、喜んで下さった当時の娘さんが今では大きくなって結婚も出産もされて常連さんとしてお店に来てくれています。
そんな素敵な経験を味わえるなんて飲食で活躍されている方の醍醐味ですね。
たくさん嬉しいことはありますが一番印象に残っているエピソードです。
高木様のお仕事のこだわりやポリシーなどは御座いますか?
圧倒的お客様目線ですね。プライベートで外食に行った際も、自分たちがやりたい店だけではなく「世の中が求めているお店ってなんだろう」を常に探しています。「今お客様が求めていることはなんなんだろう」と、どれだけ僕らが察知できるかが大事だと思っています。仕事とは何かの問題を解決するためにあると思っているので、お客様が非日常を体験できたり、大切な人たちと大切な時間を作りたいというシチュエーションに対して、どれだけ我々が価値を届けられるか。お客様に価値を感じていただけるかを重要視しています。
「恵比寿 肉料理 ほたる」さんの今後の展望を教えてください。
当店のお肉で良いブランド形成ができれば福岡に展開していきたいと思っています。セカンドブランドと言いますか内臓系のホルモンを使ったお店の展開を考えています。ホルモンって捨てるの意味の「放る」がホルモンになったと言われているくらい昔は捨てられていたんですよ。福岡だと「ほたる」と呼ばれています。ホルモンとほたるをかけたお店を作っていきたいと思っています。
なるほど!
後は、弊社で既に取り組んでいる「子ども食堂」についても触れさせて下さい。今6人に1人の割合で子供が貧困家庭で育っていると言われています。コロナの影響で長期の休みが続くと給食がないのでガリガリな子供が増えているんです。なので我々は子供が毎日無料でご飯を食べれる「子ども食堂」を運営しています。
とても社会的意義のある活動だと思います。
小さい時は「将来コックさんになりたい」と夢を見る子供が多いですが、社会人になってから別の業界に行ってしまう人が多いと思います。『小さい時に「子ども食堂」で美味しいご飯を作ってくれたあのお兄さんお姉さんみたいに料理人になりたい』と憧れられる場所にもなると思っています。1人でも多くの子供たちに飲食業界に挑戦して欲しいと思っています。
最後に若者にメッセージをお願いいたします。
人間の最大の欲求は「幸せになりたい」ですよね?幸せになりたいというニーズがあるのに自分の可能性に蓋をしてしまっている若者が多いと思います。欲求を満たすために今の若い子たちにはどんなことでもいいのでチャレンジして欲しいと思っています。今の日本はGDPも下がってきているし、日本の給与水準も30年くらい変わっていません。
確かに若者が頑張らないと経済も良くならないですよね。
一番学んでいないのが日本だと思っています。ご存知だと思いますが中国が日本を超えてきています。これまでメイドインジャパンの物は中国で作られていましたが、最近は中国のものを日本が作る状態になってきています。日本人たるもの自分の価値をあげていかないといけません。今回のコロナは戦後の状態を表していると思っています。心も体もやられている中で一団となって日本経済を立て直したように私も若い子たちと一緒に頑張っていきたいと思っています。
飽食の時代と言われている時代なのに日本人の幸福度は低いままで若者も夢も希望も持っていない印象です。
出会いで人は変われると思います。愚痴や後ろ向きな話をする若者が多いので、そういう話ばかりじゃなく、前向きな話を一緒にできる人と出会って欲しいです。志が高い人たちと話していると自分もできるんじゃないかな、自信がついてきます。そういう環境に身を移してみて下さい。
高木様、本日は貴重なお時間をありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!