創業70年!秘伝の味にさらに磨きをかけて。こだわり抜かれた絶品お肉を味わえる焼肉店の経営者様にインタビュー!
呉 さん、本日は宜しくお願い申し上げます。
「スタミナ苑」の呉です。宜しくお願いします。
開業のきっかけを教えてください。
開業したのは70年前でして、私の祖母が始めた焼肉店を継いだ形になります。
そうだったんですね。
祖母が焼肉店を始めたきっかけは、70年前だとまだ戦後間もない時期で職がなかったんですね。だから、当時は生きていくために始めたのというのがシンプルな理由だと思います。
その焼肉店を家業として今も経営し続けているということですね。
そうですね。
継いではいるのですが、社長は父になります。
今は2店舗の焼肉店を経営しておりまして、70年前からある店舗の運営を私が、2店舗目を父が運営している状況です。
今は2店舗になったのですね。
いつ頃から2店舗目の経営をされているのですか?
祖母が始めた焼肉店から独立するような形で、父が2店舗目を開業させたのが今から30年ほど前になります。
どちらの店舗も歴史ある焼肉店なんですね!
長い歴史の中でもやはりコロナは厳しかったですか?
そうですね。1年目は緊急事態宣言などもあり、一時的にお店を閉めないといけない状況もあって売上が激減する時期もありました。
ただ、その時に色々と対策を練ったこともあり今はコロナ前より好調です!
逆に良い起爆剤になったのですね!
そうかもしれないです。
ただ、コロナが流行り始めた時は前代未聞のことだったのでどう対策すればいいかわかりませんでした。
それでも幸いなことに、コロナが流行る1年ほど前からキムチのネット通販を始めていたこともあり、ネット通販の準備は整っていたんです。
なるほど。
キムチのネット通販の時は売上も振るわずそこまで力を入れていなかったのですが、コロナのタイミングで”ここだ!”と思いすぐにお肉を通販で売れる準備をしてネット通販に切り替えたことが功を奏しました。
コロナは予期したものではなかったかもしれないですが、先見の明があったのですね!
それでもお肉の通販はおこなったことがなかったので、最初の方は盛り付けたお肉が崩れてしまっていたり、今思えば梱包も雑でクレームなどもありました。
ECサイトを見ていただければわかると思いますが、試行錯誤の結果お客様に満足いただけるものが出来たかなと思います。
キムチとお肉だと衛生環境なども違うと思いますし、より気を使いそうですね。
より良いサービスにしていくための施策などは何かされていたのですか?
そうですね。始めのうちは慣れないことで難しかったです。苦笑
施策としては、通販でお肉を買っていただいたお客様一人一人に手書きの手紙を書いていました。
手紙を受け取った人は絶対に嬉しいです!
その手紙に、「良くも悪くも感想が欲しいので、レビューを書いてください」という趣旨のお願いをしてレビューをたくさん書いてもらったり、SNSで繋がりのあるお客様から「こういう商品を出してほしい」や「もっとこうした方がいいと思う」など色々なお声を参考にさせていただきました。
なるほど!
それで今の形になったのですか?
はい。
おかげさまで良い商品を作ることが出来ました!
「スタミナ苑」さんの名物、ウリを教えてください。
店舗と通販とで人気商品が変わってきます。
通販の方は著名人の方にTwitterで取り上げていただいたこともあり、”牛タン2種食べ比べセット”が一番人気です!
一時期は人気になりすぎて品切れにもなりました。笑
えー!すごい!
”牛タン2種食べ比べセット”とても美味しそうです!
店舗の方は、通常メニューにはない”タンの塩麹漬け”という商品が一番人気です。
この商品はたまたま出来た商品で、ある焼肉店の牛タンを再現するためお店の定休日に同業者を集めて牛タン研究会というものを開いたのがきっかけです。笑
面白い会ですね。笑
その研究会では結局ある焼肉店の牛タンは再現できなかったのですが、代わりに最高に美味しい”タンの塩麹漬け”が完成しました!!
そういう経緯で人気商品が生まれたんですね!
そうですね。
期間限定でコースを作っていて、その時に新作として出したのですが思いのほか好評で、今では”タンの塩麹漬け”を食べに来る方もいるほどです!
”タンの塩麹漬け”もとても美味しそうです!!
通常メニューにはないとのことですが、どのように注文すれば良いのでしょうか?
こちらの商品は私が付きっきりで焼きますので、完全予約制になっております。
詳しくはお問い合わせくださいませ!
呉 さんが家業の焼肉店を継ぐまでのご経歴が気になります!どういう経緯で焼肉店を継ぐことになったのでしょうか?
学生時代は遊び回っておりまして、、、笑
結構いい加減だったので、自分が何の職に就こうか考えても本当にわからなかったんですね。
ただ、飲食業だけはやりたくないというのは明確だったんですよ。笑
なるほど。笑
それでも何も定まらない私を見て、社長である父に半ば強制的に家業の焼肉店で働けと言われて働き始めました。笑
そのような経緯があったのですね。苦笑
どうしてもやりたくなかった飲食店を今まで続けて来れた理由などはあるのですか?
色んな意味で家業だったことが大きいですね。
私が入社以前から勤めている方もいるわけで、その方達からしたら跡取り息子が入ってくることが面白くなかったみたいで、、、はじめのうちは、何か事あるごとに私のせいにされたりというのが少なくなかったです。苦笑
そんなことがあったのですね。
右も左もわからないうちから全責任は私にあるような状態で、その時に「悔しいな」という思いがあって、だったら見返してやろうという反骨精神ではじめのうちは頑張っていました。
家業でやられているからといって順風満帆ではなかったのですね。
そうですね。
特に私が入社した当初は店長不在ということもあり、誰に仕事を教わればいいのかすらもわからない状況でした。笑
今思うと、その時からずっと試行錯誤の連続だったかもしれないですね。笑
その逆境を乗り越える不屈の精神がすごいです!
もちろん社長である父にも相談しましたし、別店舗の方にもアドバイスを頂いたりもしました。
自分で本などを読んで勉強したり、セミナーに足を運んだり、遠回りだったかもしれませんが、何とかここまでやってくることができました。
入社してから数々の逆境を乗り越えられたと思いますが、これまでで一番大変だった出来事などはありますか?
大変なことをちょっと楽しんでいる自分がいて、あまり「大変だったな」っていう感情にならないですね。
逆境に立たされるとゲーム感覚で燃えてくるんですよ。笑
その考え方を出来る方は少ないと思います。笑
先ほども話しましたが、入った当初も大変でしたし、極端に人手が足りない時もありました。
大変だったことをあげたらキリがないのですが、そんな中で一番大変だった出来事は、肉場(肉を捌く人)を担当していた方が急に辞めてしまい、焼肉店なのに肉を捌ける人がいない状況になってしまった時ですね。苦笑
その時はどうされたのですか!?
急遽私が担当することになったのですが、やると決まった時点で包丁を触ってから1年ほどでまだまだ未熟者、でもやらないといけないと。
その時は朝早くから翌朝の3時くらいまでずっと肉を捌き続けましたね。苦笑
そのバイタリティがすごいです!!
やっているときは大変ではあるのですが、気がついたら乗り越えていることがほとんどですね。笑
先ほど話した通販で品切れになるほど人気になった時も、そのタイミングで3人ほどスタッフが辞めてしまい、お店の閉店後に店長と二人で翌朝4時ごろまで梱包と発送の準備をしたりということもありました。苦笑
さ、流石です!笑
大変なことを乗り越えた先にはちゃんと成果がついてきますし、この出来後のお陰でいつ人が抜けても困らないために今まで作っていなかったマニュアル作りをしたりと良い学びにもなりました。
飲食店をやっていて嬉しかったことはなんですか?
焼肉限らずですが、結果がついてきた時です。
私自身それが正しいかもわからず試しているので、結果がついてきた時は嬉しいですし、飲食店での”結果”とはお客様に喜んで頂ける事なので、お客様から「美味しい」や「また来るね」などのお声を頂けた時はとてもやりがいを感じます。
お仕事に対するこだわりはありますか?
嘘をつかない事ですね。
自分が自信を持って提供出来るものしか提供しません。
あとは忖度しない事ですね。
忖度しないとはどういう事でしょうか?
ウチでは絶対にやらないですが、著名人やインフルエンサーさんなどが来た時に、一般のお客様には出していない良いものを提供したり、いつも以上に丁寧な接客をしたりと忖度する飲食店が結構多いんですよ。
なるほど。
お店の利益のために致し方ない事なのかもしれませんが、私自身そういうことがすごく嫌いで、著名人だろうと初めて来店される一般のお客様だろうと変わらず全力の料理と接客で対応しますし、一人一人のお客様と真剣に向き合いたいですね。
「スタミナ苑」さんの今後の展望を教えてください。
ウチは地域密着型のお店なので、地元の方にもっと知って頂きたいですし、新規のお客様だけではなく地元の常連さんにも寄り添ったお店にしたいというのが大前提にあるんですね。
素敵ですね。
ありがとうございます。
その上で、70年間培ってきた味をより多くの方に届けたいという思いもあるので、遠方の方にも来て頂きたいですし、通販を通してでも色々な方に届けたいと言う想いがありますね。
また、段階を踏んで店舗展開もしていきたいと考えております。
素敵な展望です。
あと社内にも目を向けていて、飲食業界はどうしてもブラックなイメージが強いかと思うのですが、そのようなイメージを払拭していきたいです。
社内の待遇やアルバイトの管理など、今以上に働きやすい環境を作りたいと考えております。
最後に若者にメッセージをお願いいたします。
とにかく行動!
何歳からでも挑戦は出来ると思いますが、若いうちはやってから考える時間がたくさんあると思うので、早いうちから色々なことに挑戦してほしいです!
年を重ねると責任などが伴って、同じリスクでも若い人よりもリスクが高いと思うんです。そう言う意味では若いだけで優位なので、失敗を恐れず、とにかく行動して、失敗して、また行動してとトライし続けてほしいですね!
その場で悩んでいても現状は何も変わらないので。
呉 さん、本日は貴重なお時間をありがとうございました!
ありがとうございました!