80年前に魚屋として創業!!長い歴史と鮮魚がウリの「魚竹」さんにインタビューさせて頂きました!
松井さま、本日は宜しくお願い申し上げます。
「魚竹」の松井です。宜しくお願い致します。
開業のきっかけを教えてください。
80年前から魚屋として創業したのが始まりでして、私は4代目になります。
高校大学の頃7年間色んな業態を掛け持ちしながら飲食店でアルバイトをしており、その時からいずれは経営者になろうと考えておりました。
自分が当時経営者としてやりたい業態は「魚竹」のような和食ではなかったのですが、前代の義理の父が亡くなられて「これも一つのきっかけなと」一大決心をしました
引き継がれたのはいつ頃なんですか?
前代からお店を引き継ぎ今のような業態でリニューアルオープンさせて頂いたのが2008年になります。
4代目となった私は「魚竹」を”ブランド”として育て、古き良き伝統は残しつつも、新たな時代に挑戦していくための組織、フォーマットを作っていき、個人経営から企業体へと進化させていきました。
社内に変革を起こしたんですね!
そうですね。現在はデリバリーテイクアウト専門業態で3つのブランドをもつ「Delitake」、
そうめんと丼ぶりの専門店「MAHOROBA」という業態をグループで経営しております。
手広く事業展開されているのですね!
他方では他企業様の業務サポートを受託するという事業も始め、後継者がいない、料理長が辞めた、スタッフ不足、売上不振など様々な課題を抱えたお店に、弊社スタッフを送り込み、与えられた期間内に課題解決のお手伝いをさせて頂くとといったこともやらせていただいております。
将来独立したいスタッフの目標に、リアルな店舗で経営を含めた運営経験を積ませられるような体制作りを目指しております。
松井様が4代目になられてから個人の和食料理屋さんから飲食企業とし成長させて行ったのですね!
そんな中、コロナという未曾有の事態が起こりましたが、「魚竹」さんはコロナの影響はありましたか?
ありました。
コロナになって始めたことも変革したこともたくさんありましたが、どちらかといえばコロナに関係なく、以前からするべき様なことがほとんどだったのかなと今は思っております。なので、いい意味ではコロナが未来への機会点になったと前向きに捉えております。
逆に良い機会なったということですね。
「魚竹」さんの名物、ウリを教えてください。
日本全国の漁港さんとの繋がりで、産直や豊洲からの買い付けで、毎日入荷する鮮魚のお刺身を使った料理が、圧倒的な自慢料理になっております。
特にお刺身の盛り合わせは、14~15種類のネタを入れ込んで提供する圧倒的な看板料理です!8割くらいのお客様は頼まれますね。
他のお店は多くても10種類とかなのに、14~15種類というのははかなり多いですよね。
そうですね。都内で見かけないようなお魚もあって、すごく珍しがられます。
そのようなメニュー開発などはどなたが行われているのでしょうか?
私のアイデアを料理長がカタチにしていく流れが主流です。
開業までのご経歴が気になります!
アルバイトの時からやりたかった経営者というのも、飲食の経営者をやりたくて飲食に足を踏み入れたんですか?
そうです。本当は大学を卒業してそのまま飲食業界に行きたかったのですが、ちょうどバブルのはじける時期に遭遇してしまい、飲食店も様変わりしてしまいました。いずれもし飲食の経営者としてやるにしても、外の世界を勉強して、人脈だったりとかそういうのをしっかり構築しようと思い20代はアパレル業界でキャリアを築きました。
ずっと飲食ではないのですね!
20代ではアパレル業界に入って、12年働いておりました。その後、30代になってヘアサロンに転職しました。
ただ面白いことに、責任者を任されることになってから、アパレルもヘアサロンもいずれも飲食業に進出することになったんです!
飲食をやりたい気持ちが強かったから、全く違う仕事でも飲食のほうに引き寄せられたということですか?
そうかもしれないです。面白いですよね。笑
アパレルの時は、お台場ができる時にアメリカのTV番組を冠にした300坪のレストランも併設しているライセンスショップの総支配人になりました。
アパレルの時に飲食の経営に携われたことがとても勉強になったと思っております。今まではただ楽しいだけで飲食をやっていましたが、数字の裏側とかいろいろと勉強させていただけました。
いろんな経験をされてきたのですね。
これまでで一番大変だった時のエピソードなどがあれば教えてください。
コロナも大変でしたが、それは外的要因なのでしょうがないですね。
2012年に魚竹2号店を出したことが、自分自身が招いた大きな失敗でした。
当時、魚竹も順風満帆だった上に、兼務していたヘアサロンも10年間で150店舗を超える出店をしていたこともあり、身の丈を知らずに気持ちが大きくなっており、社内に対してインパクト作りたいということで麻布十番の140万円の家賃のところで魚竹の2号店を出店したんですね。
すごいところに出店されたんですね!
ただ、とてもきつかったですね!苦笑
幸い、お客様にもスタッフにも恵まれたが、当時の私は140万円の家賃をペイするということがどれほど大変か実感がありませんでした。最終的には何とかなりましたが、2,3年は本当に厳しかったですね。
そのようなご経験が逆に勉強になったということですか?
そうですね!
私の好きなことわざに「人間万事塞翁が馬」っていうのがあるのですが、結局今起きたことは最終的に自分のためになるという考え方をするしかないなと思っております。
逆に飲食店をやっていて嬉しかったことはなんですか?
大きく2つあります。
1つ目は、縁あってこの会社に入って共に働くスタッフたちが独立して巣立っていくことです。現在5人が一人立ちしておりまして、自分の会社から独立して頑張っているということが、飲食やっていて良かったなと思います。
素敵ですね。
2つ目は、数ある飲食店の中から魚竹を選んでくださることや、気に入ったお客様がご家族やご友人を連れて来てく出さることですね。
また、プロポーズの場所として選んでくださったり、結納の場所として選んでくださったり、大切な場として利用していただく事でお客様の人生の岐路に携われることは飲食店をやっている者として最高の”誉れ”ですね。
お仕事のこだわりやポリシーなどはございますでしょうか?
私のにはポリシーが4つあります。
1つ目は、飲食店はエンターテインメントであり、ある意味ファッションだと思っているため、「常に自分がわくわくして楽しんでいる状態で仕事に向き合うようにしている」ということです。
うんうん。
2つ目は、「常に経営者として学び続ける謙虚さを持ち続け磨いていく」ということです。子供は親の鏡というように、飲食店の現場は経営者の鏡だと思っております。
なるほど!
3つ目は、「感謝の気持ちをわすれない」ということです。今の自分がいるのは、根っこを支えてくれているお客様や、指導してくださる先輩、一緒に支えてくれているスタッフや家族がいるからだと思っております。
”感謝”は何をする時も大切ですよね。
4つ目は、自分を信じることです。「自分に起きていることは常にベストなことが起きていると信じている」と思うことが大事で、あの時があったから今の自分があるんだなと思うようにしております。
自分の中でしっかりしたポリシーがあって尊敬致します!
私は宝塚を見るのが趣味でとてもインスパイア受けておりまして。
女性でありながら、男性になりきり入りこめるということは、男性をすごく研究されているからだと思います。
そのような姿勢から私もインスパイアを受けておりまして、仕事に生かすようにしております。
宝塚を飲食の勉強の材料のために使われているというのは、初めて聞きました!
「魚竹」さんの今後の展望を教えてください。
大きく4つの展望があります。
1つ目は、これから先未来10年に向けて新たな魚竹のステージを作っていきたく、本店の恵比寿店のリニューアルを来年に考えております。昔の飲食店は座席数が勝負のポイントでしたが、コロナになったことで今はそうではなく今後そうはならないと思っております。新たな10年に向け、快適で居心地のいい空間のお店を作りを目標に、どのような付加価値を付けていけば良いのか研究しております。
確かにコロナで飲食店の在り方がかなり変わりましたよね。
2つ目は、今育成している「Delitake」というデリバリー&テイクアウト専門店の業態を拡大したいと考えております。今3つのブランドを持っており、これを最低でも5~8つのブランドにし、FCとしてやっていけるように手札を増やしていきたいです。
続きが気になります。
3つ目は、社内で独立するFCの体制を構築していきたいと考えております。美容室で学んだFCビジネスの仕組みを、うまく飲食店用に作り変え、3年以内にスタッフたちが社内で独立出来るような仕組みを作っていきたいですね!
素敵な展望ですね!
4つ目は、FCの店舗が自信をもって社会に出ていけるよう、魚竹の社会的な企業体としての磨きをかけていきたいと思っております。
かなり現実的な展望、目標なのでこの調子でいけば実現できると思います!
お話を聞く限り、今後は社内独立制度を高めていきたいということでしょうか?
そうですね!若い人には、どんどん表に出ていってほしいと思っております。失敗もすると思いますが、表に出ていった方が絶対に成長すると思いますし、何でも自分でやったほうがいろんなことを学べていいと思うので頑張ってほしいですね!
最後にそんな若者に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
私は幸せを掴むには4つの要素が必要だと考えていて。
”有意義な時間を使うこと”、”成長できる環境に身を置くこと”、”孤高なる習慣を自分のものにすること”、”圧倒的な行動力を身につけること”、この4つが自身の経験と人からの学びでとても大切だと考えております。
一つ一つ詳しくお聞きしたいです。
”有意義な時間を使うこと”については、夢と目標は違います。夢には期限はないが、目標には期限があり、その期限を自ら決めることがとても大事だと思います。有意義な時間というのは、自分自身が時間を設定し、それに向けてある程度のものを犠牲にして仕事に打ち込む時間ということです。
うんうん。
”成長できる環境に身を置くこと”については、職場選びの際、給料より、何を学び、自分がどう成長できるか、という基準で職場は決めたほうが良いと思います。忙しい店で働き、仕事をすることが、一番自分を伸ばします。人間には2通りの人間がいて、パワーを与える人間と、パワーを奪う人間がいます。パワーを与える人間の中に自分の身を置き、ポジティブな言葉を浴びないと人間は成長出来ないと考えております。
給料で決める方が多いと思いますが、私もとても大事な職場選びの要素だと思います。
”孤高なる習慣を自分のものにすること”については、私の好きな言葉の一つに「能力の差は小さい、努力の差は大きい、継続の差はとても大きい、習慣の差が一番大きい。」という言葉があるんですが、習慣がメンタルを作ると思うので、自分で決めたことをやり続け、誰にでもできることを、誰もできないくらいにやるということは、とても大事なことだと思います。
素敵な言葉です。
私はお店をオープンしてから14年、毎朝一番最初にお店に行って掃除と筋トレとストレッチをしています。掃除は接客のなかでいちばん重要で、お客様に直接する接客以前にお客様が来られるお店をきれいにすることは最低限のことだと思っております。その気持ちを常に持ち続けることはとても大事だと思います。
松井さんがしっかりと実践されているのですね!流石です!
最後の”圧倒的な行動力を身につけること”については、情熱は取り掛かるスピードに表れます。突き抜けるほどの行動力を身につけること、人の気持ちを突き動かすのは、「本気の姿勢」だと思います。失敗を恐れず、気になったことは何でもチャレンジすれば良い。チャレンジすれば、たとえ「成功」しなくても「成長」することはできます。行動が先、考えるのは後です!
松井さん、本日は貴重なお時間をありがとうございました!
ありがとうございました!