イタリアで8年間修行した女性オーナーシェフが作る絶品イタリアン!!
玉城さん、本日は宜しくお願い申し上げます。
「オルトレ イル チェーロ」の玉城です。よろしくお願いします。
開業のきっかけを教えてください。
中学生の時から料理を作るお仕事をやりたいなと思っていて、高校卒業と共に管理栄養士の勉強が出来る大学に通いながら飲食店でバイトをしておりました。
早いうちからご自身のやりたいことが決まっていたのですね!
そうですね。
そのように思い始めた当初からイタリアンをやりたいと思っていたのですが、新卒で就職した飲食企業ではイタリアンではない別の部署に配属されてしまったんですね。
なるほど。
何度も移動のお願いをしていたのですがことごとく断られてしまい、「だったらもうイタリアに行ってしまおう」「イタリアに行ってしまえば嫌でも勉強出来るでしょ」という思いでイタリアへ修行に行くことを決めました。笑
思い切りの良さと決断力が凄まじいですね。笑
そうですかね?笑
イタリアに行くと決まった時にはすでに、帰ってきたら自分のお店を出すということを決めていました。当初は一年間修行して帰ってくる予定だったのですが、イタリアに行ったら行ったでイタリア生活が楽しくなってしまって…笑
最終的に8年ほど滞在しておりました。笑
8年ですか!長くイタリアで勉強されていたのですね!
日本に帰ってきてからはすぐに開業準備に取り掛かったのですか?
開業することは決めていたのですが、すぐにというわけではありませんでした。
帰ってきてからは、元々繋がりのあった飲食店オーナーの方に「自分のお店を出すならホールで接客の勉強もした方がいいぞ」と言われ、その方のお店で2年ほど接客の勉強をさせていただいておりました。
玉城さんが飲食業と真摯に向き合われているのが伝わってきます。
ありがとうございます。
働きながら物件を探したり準備を進めて、3年ほど前に念願の自分のお店を開業させることが出来ました!
店名の「オルトレ イル チェーロ」とはどういう意味なのですか?
イタリア語で「空の向こう」というような意味です。
この名前にしようと思ったきっかけは、私がイタリアに行く前に友人から「寂しくなったら空を見たらいいよ。空はイタリアでも日本でもどこの国でも繋がっているから」と言われたのがすごく嬉しくてそのままお店の名前にしました!
とても素敵です!
3年前に開業されたということですが、開業後すぐにコロナが流行り始めたと思います。やはりコロナの影響はありましたか?
ないといえば嘘になりますが、幸いなことにご近所の方々が支えてくれたり、テイクアウトを始めたことで、今までウチに来たことがなかった方々がテイクアウトを利用してくれて、それがきっかけで店舗にも足を運んで頂けるお客様が増えたので一概にマイナスだけという感じではなかったです。
テイクアウトを取り入れたことで、集客の幅が広がったんですね!
そうですね!
テイクアウトでウチの味を知って店舗に来て頂けるととても嬉しいです。
テイクアウトメニューは新たに考案されたのですか?
テイクアウトをやり始めた当初はテイクアウト専用のものを作っていたのですが、お客様からのご要望もあり、一部出来ないものもありますがアラカルトのメニューもテイクアウト出来るようにしました!
「オルトレ イル チェーロ」さんの名物、ウリを教えてください。
商品名でいうと『ウサギのお肉のピエモンテ風サラダ』などがありますね!
ウサギのお肉が食べられるのですか。私はまだ食べたことがないですね。
ウチは創作イタリアンというより、イタリアで8年修行した経験を活かして、出来るだけ現地のレストランで出している料理をそのまま再現することを心がけております。
なので、ウチにあるメニューの8割くらいは、イタリアのレストランで実際に私が作っていた料理です!
種類で言うとどれくらいのメニューがあるのですか?
通常メニューで30種類以上あります。
本場のイタリアンをこれだけ味わえるお店はなかなかないかと思います。
ピザ釜などもあるのですか?
ピザ釜がないのでオーブンでピザを焼くのですが、ピザを焼き続けているとオーブンが潰れてしまい他の料理を提供できなくなってしまうので、今は月一のイベントでピザを出しております。
オーブンでピザを焼き続けているとオーブンがダメになってしまうのですね。初めて知りました!
月一でピザのイベントをやり始めたのもコロナになってからですね。
ピザのイベントもコロナになってから取り組んでいるんですね!
はい!
単純にピザってテイクアウトしやすいイメージがあるじゃないですか。
なので月に一回ピザのイベントをして集客しております!それに、ピザを好きな方はたくさんいると思うので。笑
確かに私もピザは好きですね!笑
中学生の時から料理人になると決めていたとのことですが、何かきっかけはあったのですか?
うろ覚えなんですが、当時食べたオムライスがきっかけだったと思います。
オムライスですか…?
当時のオムライスはご飯が卵に包まれているものがほとんどだったのですが、その時に食べたオムライスはとろっとした半熟のオムライスで、そのオムライスを食べた時にすごく感動したんですね。
まだ小学生くらいだったと思うのですが、そのオムライスを食べた時から家ではしょっちゅうオムライスを作っていましたね。笑
そのオムライスが玉城さんが料理人を目指すきっかけになったのですね!
はい!
あと半分冗談でよく話すのが、昔は外科医になりたかったんですね。
外科医ですか?笑
料理人とあまり関係がないような…。
はい。お医者さんの外科医です。笑
私、昔はしょっちゅう怪我をしておりまして、その影響か中学生の頃は料理人と同じくらい外科医になりたいと思っていたんです。ただ頭の問題がありまして…笑
中学生の時に高校見学でお医者さんを目指せる学校の見学にも行って、その学校に入学するために勉強も頑張っていたのですが断念してしまいました。苦笑
その学校に行けていたらお医者さんになっていたかもしれないですね!
まぁ諦めてしまったんですが、そこでみんなには「メスが包丁に変わっただけ」と半分冗談でよく言っています。笑
人にメスを入れるのが、魚やお肉を切ることに変わっただけだよって言ってます。笑
これまでで一番大変だった時はいつでしょうか?
飲食業が天職なのか、あんまり大変と思ったことがないですね。
ただ、開業時から一人でやっているので、寂しなと思うことは多々あります。笑
確かに一人だと寂しいかもしれないです。笑
お一人でやられているとのことですが、店舗は一人でまわせる程度の大きさなんですか?
20席ほどなのでぎりぎり回せるくらいですね。苦笑
20席を一人でまわすとなると結構大変ではないですか?
そうですね…
ただオープン時からほとんど一人でやっていたので慣れちゃいました!笑
従業員を雇おうと思ったことはないのですか?
あります。
実際、オープン当初は二人雇っていたのですが、一人は一身上の都合で、もう一人は妊娠してやめてしまいました。苦笑
ずっと一人というわけではなかったんですね。
はい。今もバイト含め従業員は募集しているのですが、常連のお客さん達は私が一人でやってるから良いとのことで少し反対されているのもありまして、ちょっとした葛藤みたいなものがありますね。苦笑
とはいえ一人は厳しそうです。苦笑
私がインタビューをしている中で女性オーナー様は初めてなんですが、女性のオーナーシェフは珍しいと言われませんか!?
そうですね。よく言われます。笑
女性ならではの良いこともあって、女性のお客様が一人でもよく来ていただけるんです!
確かに!男性がやっている個人店より女性が一人で行きやすいかもしれないですね!
女性オーナーシェフだと入りやすさを感じていただいているみたいです!
飲食店をやっていて嬉しかったことはなんですか?
ウチはオープンキッチンなんですが、オープンキッチンにした理由の一つに自分が作ったものを食べてもらっている時の表情を見るのが好きなんですね。
「美味しい」と言ってもらえなかったとしても、表情を見たらわかるじゃないですか。自分が作ったものを自分の目の前で美味しそうに食べてもらうのが一番嬉しいですね!
料理人の方ならではの嬉しさですね!
お仕事のこだわりはどういうところになりますか?
楽しくあれば良いかなと思います。
自分が楽しかったらきっとお客さんも楽しんでもらえると思いますし、楽しくやるのがこだわりですね!
「オルトレ イル チェーロ」さんの今後の展望を教えてください。
このお店をずっとはやらないだろうなぁと思っています。
せっかく夢だったレストランを開業したのに、なぜそのように思うのですか!?
それが理由です。
今は”夢が叶ってしまった”状態なので、このままの現状に満足しているときっと自分が楽しく仕事が出来なくなってしまうと思うのですね。
なるほど!
夢とか希望とかって常に持っていた方が良いと思っていて、その方が自分も成長できるし、周りを楽しませることもできると思うんです。
なので次の夢は、一階がレストランになっているペンションを地方でやりたいなと思っております。
もう次の夢が決まっているのですね!玉城さんらしいすごく楽しそうな夢です!
最後に若者にメッセージをお願いいたします!
色んなところに食べに行った方が良いと思います!
そして、もし日本食以外の料理を作りたいのであれば、間違いなく現地に行った方が良いと思います。
現地で料理の勉強をした方が良いということですか?
もちろんそれもあるんですが、それ以上に現地の文化や現地に住んでいる方との交流を深めることが大事だと思うので、どんどん積極的に海外へ行ったほうが良いと思います!
イタリアに8年もいた玉城さんに言われると説得力ありますね!笑
玉城さん、本日は貴重なお時間をありがとうございました!
ありがとうございました!