小森さま、本日は宜しくお願い申し上げます。
「熟成鮨利他」の小森です。宜しくお願い致します。
まず初めに店名の由来をお伺いできますでしょうか。
利他の精神からとってるんですけど、京セラの会長さんの稲森和夫さんの本を読んだ時に、利他の精神について書いていて、自分のためではなく他人のために頑張りなさいと。そういう思いが込められていた本で、それって自分がお店を始めた時のコンセプトと似ていたんですよ。
出だしなんで自分が稼ぎたいというのはあったんですけど、それ以上に従業員やお客さんのため、従業員の家族や親せきなど関わる人全員を幸せにしたいという気持ちがあったのでそうしましたね。
開業のきっかけを教えてください。
ざっくりですけど、大学卒業して22歳の時に、地元で店をやってゆっくりできたらいいなーなんて思ってたんですけど、飲食店って儲からないってわかったので、
しっかり利益を出したいと思った時自分でやるしかなかったので、それで独立しました。
開業されたのはいつ頃でしょうか?
2019年にオープンしました。
コロナの影響はありましたか?
そうですね、オープンして半年で緊急事態宣言があったのでもろに受けましたね笑
でもコロナがあってよかったですね。
え?そうなんですか?
はい、逆に助かりました。
給付金もありましたし、もちろんお客さんが来ないわけじゃないですか。
じゃあどうするかと考えたときにケータリング事業を始めたんですよ。
来ないならこっちから行けばいいと思ったんでそこであまり売り上げを落とさずできました。
今もケータリングはやられているんですか?
いやもうやっていないですね、実は結構手間がかかっちゃうんです。
ケータリングは本当に大変なので余程のことがないとやらないと思います(笑)
「熟成鮨利他」さんの名物、ウリを教えてください。
やっぱ熟成魚ですね。
普通のお寿司屋さんだと長期熟成があまりないんですよ。
例えば20日寝かしたマグロであったりとかウナギの刺身とか、そういうのは関西でやっているお店があまりないんですよ。
だからお寿司を食べに来るというよりか、熟成したお寿司ってどんなのかなっていう体感をしにくるお客さんが多いですね。
熟成寿司と普通のお寿司の決定的な違いって何ですか?
やっぱうまみ成分があるんで美味しいです。
イノシン酸っていう成分が魚死んでからじゃないと出てこないんですよ
死んですぐに出てくるものではないので、上手く寝かせてあげてそのイノシン産を出させますね。
ねっとり感が増しますね、寝かせば寝かすほど身が柔らかくなるので居酒屋で出てくるようなタイとかの刺身ってコリコリしてるんですけど、そういうコリコリ感がないです。味が濃い感じです。
メニュー開発などは小森様が行われているのでしょうか?
今はもうほとんどやってないですね。
ほとんど任せてますね。
開業までのご経歴が気になります!
どういう経緯で飲食の世界に足を踏み入れられたのでしょうか?
もともと飲食好きだったんですよ。
学生時代バイトで飲食やってたっていうのもあります。
目の前でお客さんが喜んでる姿を見れるっていうのは飲食のかなりの強みですよね。
本当に目の前で感情が見えるんですよ、そこが面白い商売だなと思ってのめりこんでいきました。
なるほど
では大学を卒業してずっと飲食関係をやられてきたんですか?
いや、6年間営業の仕事をしてたんですよ。
それだから4年間飲食の経験をして、5年目に独立したって感じですね。
ほぉ~、営業の仕事をしたけどやっぱり飲食が楽しくて戻ったという感じですか?
いや、すぐ飲食をやるよりか社会勉強としてサラリーマンをした方がいいと思ったんですよ。やっぱ飲食だけをやってきた人って変わった方が多いので、これはこうみたいな固定概念があるんで、そうなったらアカンなと思ったんで勉強としてサラリーマンをやってました。
これまでで一番大変だった時のエピソードなどがあれば教えてください。
ダブルブッキングですかね。
予約にどうしても抜けが出てきてしまうときがあって、うちはインターホンを押してもらってから店に入っていただく仕組みなんですけど、その時は8名満席で止めてたんですよ、それで料理を作り始めようかとしたときにインターホンが鳴って、
なんか嫌な予感がしたんですよ(笑)
そしたら前の店からお世話になっているお客さんで、夫婦で来られていたんですけど、笑顔で許してくれるような方ではないのはわかっていたんですよ。
でもこちらが悪いのでとにかく謝ったんですけど、めちゃくちゃ怒って帰りはったんで、やばいなと思って次の日に菓子折り持って謝りに行きました。
それはすごく大変でしたね。。。
やっぱり人に謝るって仕事は嫌ですね(笑)
そうですよね(笑)
そんなことがあるんですね。
逆に飲食店をやっていて嬉しかったことはなんですか?
うちのお店って1人が飲んで食べて25000円の単価なんですよ。
何がいいかってやるまで気付かなかったんですけど、25000円を払える人って一定層じゃないですか、資産家であったりお金持ちなので、稼ぎ方を知ってるわけじゃないですか、その稼ぎ方を目の前で話聞けたり、この人気になるなと思ったら声をかけてご飯行ったりとか、普通の居酒屋では経験できないことを単価が高い飲食店というだけで自分で探しに行かなくてもそういう人らに出会えるっていうのはかなり大きいです。
小森さんは料理人でもありビジネスマンでもあるんですね?
そうなんですよ。
お仕事のこだわりやポリシーなどはございますでしょうか?
別にないですよ。
とにかく僕はいかに利益を残すかを考えてます。
もちろん目の前のお客さんを喜ばすことも大事ですが、それはもう今の僕の視点じゃないですよね。
「熟成鮨利他」さんの今後の展望を教えてください。
今大阪の福島区ってところでやってるんですけど。
そこで三店舗やって固めたのちに、フランチャイズ展開をして、自分が40歳になるころまでには東南アジアとかドバイとか海外に出店していきたいです。
あとは今月からやり始めている、お寿司の大学というか、自分が講師になって、借り入れから全部やってコロナも乗り越えたっていうのも経緯にあるんで、飲食店を開業するにはどうするかとか、銀行からの融資はどう受けたらいいのかとか、そういったことを知らない人が多いので教えていければなと思ってます。
飲食店だけだとやっぱりきついです。
キャッシュのポイントは何個か持っていたいですね。
最後に若者に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
若者…僕もまだ若者ですからね(笑)
そうですよね(笑)
あんまり生意気なこと言えないですよね(笑)
20歳の時の自分に問いかけるって感じでもいいですか?(笑)
はい!お願いします。
1日を無駄にするなって言いたいです(笑)
やっぱね大学とかって毎日遊ぶだけで何のメリットもないようなことをしてきましたけど、とにかくいっぱい海外に行けって思います。
海外に行く習慣を身につけろって思います。
そしたら絶対違う習慣とか、違う文化、サービスに触れ合えるんで、逆に日本ってこんなにいいサービスなんだって気付けたりとか、そこもまたビジネスにつながる可能性が広がると思うので、日本にとどまってたら勿体ないと思いますね。
小森さん、本日は貴重なお時間をありがとうございました!
ありがとうございました!