武居さま、本日は宜しくお願い申し上げます。
「新赤坊(ニューあかんぼ)」の武居です。宜しくお願い致します。
1号店が「赤坊」、2号店は「新赤坊」、、、店名の由来が気になります!
人間の始まりが赤ちゃんなので「初心を忘れない」という意味を込めて命名しました。あとは1文字目を「あ行」にすることで電話帳などで1番上に掲載されるという狙いもあります。iPhoneのApple社が活用した戦略で有名ですね。


開業までのご経歴が気になります!どういう経緯で飲食の世界に足を踏み入れられたのでしょうか?
実はもともと保育園の先生やりたくて、専門学校に通っていたんです。卒業したもののアパレル業界への興味が強くなって保育の先生にはなりませんでした。
す、すごい。。。異色のご経歴ですね!!!
飲食店との掛け持ちで生計を立てていたのですが、次第に飲食業界に興味を持つようになって、独立を目指して本格的に飲食店で修行することになりました。
そうだったんですね!なぜ独立を考えたんですか?
長時間労働の割に給料面も明るい業界ではなく、働きやすさを求めるのであれば、自分で開業したほうが良いなと思ったからですね。修行するようになってから、いつまでにこれくらい貯金して、これくらいの時期に独立しようなどと考えていました
修行期間や独立してからの期間を含めると飲食業界での経験はどれくらいでしょうか?
18歳から掛け持ちで働き出したので20年になりますね。


1号店の「赤坊」と2号店の「新赤坊」の違いはなんでしょうか?
1号店は居酒屋スタートだったので大衆に寄せました。当時、1人で切り盛りしていたので良くも悪くも商品メニューに自分の色が入ってしまっていた気がします。逆に2号店では低脂質で高タンパクなジビエを導入しました。世間的にも健康志向のお客様が増えてきていますし、パーソナルトレーナーや女性のお客様にウケがいいだろうなと考えました。
たしかに。私も格闘家なのでお店選びでは個人的に大事な指標ですね。
当店ではジビエに合うワインメニューも取り揃えています。オープンして3ヶ月なのですが、読みが当たって、やはり女性のお客様が多く、全体の7割を占めますね。しかもSNSの発信力がある方が多いです。
メニュー開発などは武居さまが行っているんでしょうか?
管理も運営も、店頭での人材育成も私1人でやっています。


す、すごいです。。。武居さんと話してるとパワーというかとてつもないエネルギーを感じます。コロナの影響とかってありましたか?
ありましたね。引くも地獄、進むも地獄の状況でした。なので途中で和食居酒屋から中華料理に業態変更しました。
和食から中華、、、。それはなぜですか?
三茶エリアでもお店を開けているのが「悪」な雰囲気が漂っていました。ですが「飲みに行きたいのにお店が閉まってるから飲みに行けない」というお客さんが一定数いました。
ほう。。。
休中華のチェーン店やご高齢の方が経営する中華の個人店が多かったんですが、ほとんどのお店が休業していました。そこで、うちが朝方まで中華で営業すれば独占できるなと考えました。
まさに逆張り。需要と供給ですね。賢明な判断すぎて脱帽です。。。これまでで一番大変だった時のエピソードなどがあれば教えてください。
やはりコロナの時と、独立するまでの修行時代ですね。修行時代は大変でしたけど、まだ時間の経過が早かった。一方でコロナは、苦しみの終わりが見えないから、とてもしんどかったように思います。
やはり皆さん口揃えてコロナの時が1番とおっしゃられますね。
ほんとに売上ゼロの時期があったので、できることはなんでもやりました。売上ゼロだから予算ないのに1個1000円でお弁当販売を始めたもののお弁当すら売れなかったり。。。売れなかったお弁当を持ち帰ったときはとても悲しかったですね。
ぐぅ。。。つらすぎます。。。
奥さんがちょうど妊娠していた頃なので、家族のためにも諦めるわけにはいきませんでした。辛いこともありましたが、遠方からお店に来てくださるお客様がいたり、嬉しいこともあり、なんとかトライアンドエラーを繰り返しながら前向きに頑張ることができました。
今事業継続できているのは、まさに当時の努力の賜物ですね。飲食店をやっていて嬉しかったことはなんですか?
飲食って競合ひしめく大きなマーケット(市場)じゃないですか?お客様から見て、どの飲食店に足を運ぼうか無限の選択肢がある中で、うちに来店してくれるのはやっぱり嬉しいですよね。
なるほど。確かにその喜びは飲食業 冥利に尽きますよね。
あとは、飲食店を経営してるお客様から褒められると嬉しいですね。競合というより戦友だと思うんです。なのでお互いの店に関心ある人から利用してもらったり、応援してもらえると嬉しいです。『すごい』『おいしかった』などと言われると心の中でガッツポーズしちゃいます。
素敵です(泣)。武居さんのお仕事のこだわり、ポリシーなどはございますでしょうか?
スタッフには、なるべく本気でやってくださいと伝えています。飲食店って100%でやっても100%の成果が返ってこないのが当たり前の仕事だと思うんです。少しでも妥協しちゃうとそれ相当の成果しか帰ってこない。
そのような思考、哲学は修行時代に形成されていったのでしょうか。それとも開業してからでしょうか?
もとから大事にしていた考えですね。お店を開業するより、やはり続ける方が難儀です。日々の営業、経営、自分の生活を通して、自分なりの哲学が形成されていってる気がします。事業を継続するために厳しさ、熱意、信念が必要な要素だと思うんです。なので一緒に働くスタッフたちとは暑苦しいくらいコミュニケーションを取るようにしています。
「新赤坊(ニューあかんぼ)」さんの今後の展望を教えてください。
違うジャンルの業態で店舗増やしていきたいですね。もともと和食をやっていたので、お寿司もやってみたいですし、焼肉もやりたいですね。欲張りかもしれませんが素直に他ジャンルに挑戦してみたい。
チャレンジングで素敵です!
あとは従業員たちの独立支援をしたいですね。アフターコロナと円安インフレの影響で事業拡大に莫大な資金や時間的コストがかかりすぎる時代になってしまった気がします。資金が潤沢なのに店舗増やしても大変だったり、技術や経験があってもうまくいかなかったり先行き不透明で高リスクな時代。。。なので従業員が独立する時に少しでも成功確度を高められるように既存店舗を従業員に売却して運営していける形も取っていけたらなと思うんです。


最後に若者に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
圧倒的な経験と出会いが皆さんの人生の厚みや豊かさに繋がってくると思います。その意識さえあれば、小さなコミュニティにいても、多くの経験や出会いを得ることができるはずです。なんやかんや1人でやってると思っていても多くの人が携わってくれている気がします。自分の決断力を磨くのも大切ですし、自分の未来のために自分を高める豊かさを追い求めてみてください。
本日の取材を通して私まで学ばせていただきました。武居さん本日は貴重なお時間をありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!当店は馴染みのある中華に加えてジビエをカジュアルに体験できる場所を提供しておりますので「新赤坊」に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一度食べに来てください🎵